ぐずぐずしてしまう背景に心を寄せる〜ランドセルを踏みつける子を無理矢理学校に行かせることにプラスはあるのか〜

 

 

それは、通勤途中に目に入ってきた。

登校班とは別に

通学路を歩く親子。

男の子のランドセルに

黄色いカバーがついているところから

きっと一年生。

お母さんらしき人、我が子の荷物を持ち

後ろを振り向かず

イライラした調子でどんどん歩いていく。

ちょっと後ろを

重たい足取りで

なんとか前に進む男の子。

その途端、

背負っていたランドセルを地面に投げつけ

踏みつけ始める。

お母さん、

そんな我が子の様子に気づくはずもなく

どんどん距離が離れていく。

 

その親子の横を

いくつもの登校班の子達が

追い越していく。

 

こんなにも

学校に行きたくないアピールをしているのに

どうしてこの子のお母さんは

この子の気持ちに、心に、

耳を、体を傾けないのだろうか。

こんなことまでして

学校に連れて行って

なんの意味があるのだろう。

 

それはきっとお母さんの自己満足。

学校に行かせたと言う自己満足。

みんなが学校に行っているから

みんなと同じ学校に行かせなくては。

世間体という呪縛。

なんとも不憫である。

 

男の子には行きたくない理由がある。

朝グズグスしてしまうにはわけがある。

根本的にその気持ちに寄り添わなければ

何も解決しない。

無理矢理学校に連れて行ったところで

その子はきっと

不機嫌で欲求不満で

誰も僕のことなんかわかってくれない

そんな悔しさで一日過ごすだろう。

こんなやりとりの中で

なにを得たかといったら

大人は話を聞こうともせず力で解決しようとするということ

ただそれだけ。

 

 

この親子を

救ってくれる誰かが

現れますように。