図工の時間にかいけつゾロリを読む

太郎の学校に、図工の先生とウマが合わなくてその日の授業と全く関係のないことをして、過ごす友達がいるらしい。

あるときは折り紙。

あるときはお絵かき。

またあるときはふて寝。

この間も図工あったので

太郎に

「今日はA君何してた?」

と聞いてみたら

「隠れてかいけつゾロリ読んでた。」

って。

太郎にバレている時点で

全然隠れてないのよね。

そこが彼の面白いところ(笑)


さらに太郎、付け足して

かいけつゾロリ、面白いからね〜。」

って夢中になっちゃうのわかるわ〜

みたいなこと言い出して

この子の感性、素敵だなって

素直に思ってしまった。


図工の最後の授業まで

自分のスタイルを崩さなかったA君。

先生はこの1年間、A君に歩み寄ろうとはしなかったのかな。

楽しい授業じゃなかった。

先生に興味を持たなかった。

でも、その場にい続けなければならない。

同じ時間を過ごすなら、自分がやってて楽しいことをして過ごそうと思って

折り紙やったり、絵を描いたりして過ごしていたんだと思う。

他の子の授業を邪魔しているわけじゃなく

静かにして過ごすA君は、それだけで花マル。

作品発表会でA君の作品が飾られていたのだけど、

飛行機をとても細かく描写していた。

話を聞くと、自動車とか戦闘機とか

そーゆーのが、好きで

めちゃめちゃ詳しいらしい。

先生もそーゆーところを認めてあげれば

歩み寄れたらはずなのに。

先生の言うことしか聞けないロボットみたいな子よりも

自らやりたいことを見つけて、それを貫く心を持っているA君は、私にとったらとても立派に見えるけど。

そしてそのA君に対して

「先生の話聞かない、いけない子。」

という目ではなくて

かいけつゾロリ楽しいから読んじゃうA君の気持ち、よくわかる。」

と思える同級生が1人でもいることは、かなり救い。

学校の先生ももっと柔軟になれば

もっともっと楽しく過ごせる子が増えるのに。

先生は手を焼く生徒だなと思うかもしれない。

同じように子どもサイドも、この先生と一年付き合わなきゃいけないのか、とため息をついているに決まっている。

お互い人間なのだから、合う合わないがあって当然。

生徒が好きな先生を選べればいいのに。

なんなら算数だけ受けるとか、教科も選択制だったらなぁ。

あとは、子どもに同意を得てからにするとかね。

「今から絵の具やりますけど、やってみたいですか?」

みたいな。


学校の先生は先生で、やらなきゃいけないことに追われ、余裕がないんだろうなぁ。

もっと根本から変わるきっかけがあればいいのに、と、心から願う。